冬の日のオオヤマネコ

ランゲル・セントエライアス国立公園 アラスカ 2019

5 x 7 in / 12.7 x 17.8 cm / Open Edition
8.5 x 11 in / 21.6 x 27.9 cm / Open Edition
13 x 19 in / 33 x 48.3 cm / Limited Edition / Edition of 30
16 x 24 in / 40.6 x 61 cm / Limited Edition / Edition of 30
20 x 30 in / 50.8 x 76 cm / Limited Edition / Edition of 15

 この年は、オオヤマネコが多かった。前年に比べて、急激に数を増やしているのが、足跡の数でわかる。メンタスタ山脈のふもとの広大な森も例に違わず、いま、栄枯盛衰のひとつのピークに差し掛かっている。

 雪面に踏まれたヤマネコの足跡をすくい上げ、時間を推測する。それはすでに固まっており、足型のままに手に取ることができた。ここを歩いたのは昨晩か…。あるいは、この場から離れて三時間以上は経過したもの。これから追ってもオオヤマネコを見つけることはできないだろう。

 歩きとおして見つけたオオヤマネコは、私から十メートルのところで忍びの姿勢を取り、いつ来るかわからないカンジキウサギを、藪の際でじっと待ち構えている。

中島たかし「人と生きものとの狹間」より抜粋

 
 

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